いい歳したバンギャがEXILE一族にハマった

私の好みは色白で、ガリガリで、骨と血管が浮いていて、煙草吸ってて、不健康の極みみたいな人だった。バンギャならだいたいの人はこうだと思う。だってステージ上のバンドマンがだいたいこんな感じだからだ。

だから、「えぐざいる?待って、勘弁してよ、筋肉とかむりだし、頭の中まで筋肉詰まってそうwwむりむりwww」っていうスタンスだった。それが最近きれいに崩れて、私の人生は再び聖なる海とサンシャインと化したので聞いてほしい。あわよくば、みんなEXILEにハマればいい。すげえ楽しい!病院坂の途中であの日に出会ってる場合じゃないし、蒼い孤独を手に入れてる場合じゃないんだ!みんなでようかい体操第一を踊るときなんだ!

 

 

1.EXILE入門~EXILEヴィジュアル系で例えるよ~

私がどこからEXILEに入ったかというと、今年の8月と11月に映画の続編が立て続けに公開されるHiGH&LOWです。このプロジェクトは事務所社長の肝いりで現在進行形であっちゃこっちゃで展開されているので、名前くらいは聞いたことがある人もいると思う。ヴィジュアル系で例えづらいけど、顔のいいバンドマンと実力派若手イケメン俳優をごった煮してスタイリッシュに美しく撮っただけの長いMVだと思ってくれていい。ストーリーなんて理解しなくていいんだ、感じろ。

かつてHY○Eさんの「下弦の月」とか「MOON CHILD」とかで「かっゆ!!!」ってなった人も安心してほしい。演技が心もとないバンドマンも多いけど、そこは実力派の本業俳優陣が華麗に補完してくれる。かゆいところもなくはないけど、みんな顔がいいしこれはMVなので気にしないでほしい。

私がここでハマったのは実力派俳優・窪田正孝さん演じるところのスモーキーさんなわけだけど、たぶんハイローを見たバンギャの5割はスモーキーさんにもってかれると思う。病弱だし吐血するから。マカブの頃の京くんみたいじゃん。彼はバリウムだったわけですけど。バンギャ、「吐血」とか「包帯」とかそういう要素に弱いから。ただしスモーキーさんは「ママ~飴玉ちょうだい~」とは言わない。

私はスモーキーギャとなったわけだけど、ほかにも登場人物はたくさんいるし、キャッチコピーが「全員主役」という「テメーらいい加減にしてください」みたいな適当さと力強さなので安心してほしい。なにより出演しているバンドマンについてはアテ書きが基本になってるから、気になった人が事務所所属だった場合に話が早い。そこからズブズブ入ってきてほしい。

まあでも、「言うてもえぐざいるなんでしょ(笑)」みたいな反応は多いと思う。それがわかってて自分から手に取るバンギャは、あんまりこじらせてない気がするから自信を持ってほしい。いちばんいいのは、すでにEXILEにハマっている人にハイローを解説してもらいながら見ることです。

私もそうだったんだけど、まず「EXILE」っていう字面に拒否反応起こしてジャパニーズモダニスト気取るのよくない。騙されたと思って見てほしい。なにかしらバンギャの琴線にひっかかるキャラは出てくる。なぜなら、わりとキャラクターの背負ってる闇が重い。そういうの好きなバンギャ多いと思う。私は好きだ。そういうの好きじゃなかったら「304号室、白死の桜」とかノートのすみっこに書かないから。

 

2.ハイローを推す要素~バンギャにでしゃばってほしい理由~

ハイローの設定として、「SWORD地区」というのがキーになってくる。SWORDというのはその地区を束ねている5つのグループのチーム名の頭文字を取ってつけられたもので、つまり5人の頭とその仲間が各々の地区を治めている。大まかな流れとしては、5つの地区で小競り合いしつつ、次第に交流しながら共通の敵に向かって結束を深めていくというもの。この説明だけで丘ライブが感慨深いものになってきたんだけど、まあつまりそういうことです。アクロだろうがメギドだろうが、約束は果たされるんだ。

先述したとおり5人の頭がいるわけだけど、スモーキーさんも頭の一人。属性は吐血と無口で、チームの二つ名は「無慈悲なる街の亡霊」。こういう設定ゾクゾクする。ちなみにスモーキーさんはSWORDのRであるところの「RUDE BOYS」を率いているよ。

Sは「山王連合会」で、「山王街二代目喧嘩屋」。「虜」とか「海月」とか呼び合ってた漢字に敏感な人たちにチェックしてもらいたい。山王の頭はコブラちゃんです。猪木さんを崇拝し、コブラツイストをかけまくった結果あだ名がコブラになるっていう、これがバンギャだったらXを崇拝しXジャンプするあまりあだ名がXになるみたいなもんです。

Wは「White Rascals」で、「誘惑の白き悪魔」。ここの頭のロッキーさんには、母親と姉が父親のDVが原因で自殺していて、首吊った母親と姉のそばで塩焼きそばを食べるというシーンがあるよ。「鼓動」と「朔」が繋がったと思ってくれていいよ!

Oは「鬼邪高校(おやこうこう)」で、「漆黒の凶悪高校」。二つ名だけはMoi-meme-Moitieぽいといえば、ぽい。Moi-meme-Moitieてまだあるんだろうかと検索したら00年代にタイムスリップしたみたいなサイトが出てきてびっくりしました。オヤコーの頭・村山さんは噛ませ犬からゆるふわ系に進化するので、「『妄想日記』歌ってた人たちですか!?」レベルの確認をしたくなる。

Dは「達磨一家」で、「復讐の壊し屋一家」。和モチーフ担当なのでKaggraとか陰陽座が好きだった人には刺さると思う。寺をアジトにして和装するわりにアメ車に乗るので、ネオ・ジャパネスク・スタイルを地でいってる。

ここまでバンギャ向けに書いておいてアレだけれども、バンギャはオタクを兼ねている人が多いという偏見があるので、チームごとのテーマソングとかチームファッションとか、考察厨に優しいガバガバの脚本とか、本格的なスタイリッシュケンカバトルとか、あいつとこいつの関係性とか、ニチアサの人がけっこう出てるとか、相関図がやばいとか、マッドマックスだとか、漫画をCLAMPが描いてるとか、琥珀さんがエメロード姫だとか、100人vs500人=1000人いる!?とか、いろいろ推したい要素があるんです。

なんでここまで布教してEXILE界隈にバンギャにでしゃばってほしいかと言うと、まっとうにEXILEを好きなファンだけに任せておいたら絶対に全部拾えない!というとこです。みんなで拾いに行かないともったいない要素がインフレ起こしてるので、うるせえつべこべ言わずに見てくれ!バンギャだろうがオタクだろうが歓迎する!助けてくれ!という心境。

雨宮兄弟なんて血の繋がりがない兄弟なんだぜ?大丈夫?これほっといて大丈夫?「わ~TAKAHIROと臣カッコイイ~♡」で終わって大丈夫?大丈夫じゃねえよ。拾って!!!「なにがあっても琥珀さんについていきます」って龍也さんの墓の前で呟く九十九さんと遠ざかる琥珀さんの場面も、「めっちゃ感動した~TT」で終わって大丈夫?大丈夫じゃねえんだよ。拾って!みんなで!拾って!!お願い!!!こっちはもう冷静沈着でもクールでもない。

騙されたというか、一瞬迷子になってしまった~くらいの気持ちでいいから入ってきてほしい。今回バンギャに勧める体で記事を書いたのも、いまだにバンギャ友達には「ハッ!なにがいいのかわかんな~い(笑)」って吐き捨てられるからなんですけど、まじで友達を助けると思って迷子になってほしい。頼む。

 

3.ハイロー・EXILEにハマると受けられる恩恵

とにかく事務所が潤沢に「人に」金をかけてくれるし、冒頭で書いたとおり社長の肝いりプロジェクトでもあるので、ドラマ・映画だけにとどまらずハイロー世界をもってきたようなドームライブもするし、去年は飲食と展示がメインの「ベース」があったけど今年はそこに遊園地も加わった「ランド」が開催されるし、年2本ていうバカみたいなスピードで映画が公開されていくし、新キャストは続々発表されるし、舞台挨拶はあるし、ハイロー関連だけでこれだけある。私は中の人にもハマってしまったのでライブもある。

オタクもバンギャも根底は「すきなものにお金をかけて、自分もハッピーになりたい」だと思っているので、そういう意味ではEXILE界隈にはファンがお金をかけられるところが無限に用意されている。月刊雑誌も出てるしアパレルもあるしコーヒー屋もあるし。ライブにはメンプログッズもあるし。写真集出すやつはいるし舞台やるやつはいるし。顔がすきな人を見つけると常にすきな顔を見せてくれるんで、毎日元気に生きられるよ。病んだツイートとか空気読まないロックなことしないし。

バンドマン追っかけてるときみたいな、「あ~なんでこの人こうなんだろう!もっとこうした方がウケいいし、キャラにあってるのに!金も落としやすいのに!」っていうジレンマが、少なくとも私はなくなったよ。背負うものが闇とか人生とかわかりにくくて心配を煽る要素じゃなくなるとこうなるんだー、という。上手く伝わるかわかりませんが。でもバンギャなので不安定なバンドマンは相変わらずすきだし、相変わらず包帯みたいなアイテムがすきだ。

 

4.おわり

このタイミングでハイローいいよ!って記事を書いたのは、ドラマ+映画2本しか映像がない今しかハイローを追うことを勧められないと思ったから。今年も2本の映画が公開されるし、コンテンツ盛りだくさんなので本当にいまのうちだ。と思う。映像は振り返って追えるけど、ほかのコンテンツはいましかないかもしれない。というのを後悔してほしくない。というお節介。

EXILEにハマって1年弱くらい経って、なにか形に残しておきたいなって思ったので書いた1記事目でしたけど、わりとすでに末期なので次は中の人について書きたいと思うよ。

どうでもいいけどこの記事に出てくるバンドとか曲とかが、けっこうな昔に分類されるのは知ってるんだ。歳がバレるのも知ってるんだ。